公の施設の指定管理者制度を含めた民間委託について

よつや薫:  今回の質問は、公の施設の指定管理者制度を含めた民間委託についてとさせていただきましたけれども、単なる委託と指定管理者制度とでは契約内容や形式そのものが異なりますので、今回は、主に指定管理者制度のこれまでの状況、そして今後の見通しなどを、ある側面から質問していきたいと思います。あわせて、人事面での業務委託との共通の側面などについて、少しお聞きしていきたいと思います。  西宮市のような地方自治体が市の財産として持ち、管理運営してきた公の施設について、市の直営や外郭団体だけで運営するのではなく、民間の力を入れていこうという、これは、もう言い尽くされていますけれども、小泉内閣当時の構造改革路線の地方自治体における一つの特色でもあったのがこの指定管理者制度だと認識しています。2003年の地方自治法改正によって、それまでの管理委託制度を廃止して移行したものですが、西宮市においても、2005年度から実際に制度として運用されています。多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的として設けられたとされていますが、しかし、これは、当初から国がつくった制度そのものの問題点として幾つか指摘されていました。例えば、弾力性や柔軟性のある施設運営という建前がありながら、実際には条例、施行規則等に阻まれるということで、民間の実力が十分に発揮できないとか、また、指定期間の満了後も同じ団体が管理者として継続して指定を受ける保証は全くなく、選考に漏れるなどして管理者が変更した場合は、ほとんどの職員が入れかわってしまう可能性もあると考えられる。また、指定期間には制限はないですが、3年から5年程度と短期間であれば、安定的な管理運営に支障が出るし、正規職員を雇用して配置することが困難となるなど、人材育成は極めて難しく、当然ながら職員にも専門性が身についていかないのではないか、また、逆に、長期になれば、民間活用という趣旨が形骸化されるのではないかという、そういう指摘もされています。これらの課題や問題点の指摘は、それぞれの施設の業務内容や性格から一概には言えない部分があるのですが、まず、そもそもこの制度の大きな目的である住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図るという点について、その辺からお聞きしたいと思います。  既に2度目の指定管理者の選定を行っている、二つ目といいますか、2団体目の指定管理者にかわって運営しているところもあるわけですけれども、それらの施設を含めて、どのような効果があったのか。つまり、経費節減の具体的な例と住民サービスがどのように向上したのか、まず、一つ目の質問としてお答えいただきたいと思います。  次に、直営から指定管理に移行する公の施設を選ぶ基準というものが指定管理者制度運用指針に示されていますが、より具体的に言うと、何を市が直営としてやっていかなければならないと考え、どこまでを、あるいはどんな分野を民間にゆだねるのかという、その点についてお答えいただきたいと思います。  最後に、具体的に、総合企画局の所管する施設のうち、今後、指定管理者などの民間による運営を考えておられるところがあるのかどうかをお聞かせいただきたいと思います。 答弁 総合企画局長(藤田邦夫): 公の施設の指定管理を含めました民間委託についての御質問のうち、ただいま市長がお答えしました以外をお答えいたします。  指定管理者の選定に当たりましては、外部委員を中心とした選定委員会を立ち上げ、対応してきておりまして、選定過程におきましては、指定管理料のみに着目するのではなく、広く市民サービスの向上が図られるのかなどの観点から、指定管理者の選定を行ってきたところでございます。  1点目の指定管理者に指定したこれまでの効果についてでございますが、例えば自転車駐車場の例で申しますと、管理箇所の増減等があり、単純に比較することは非常に困難でございますけれども、指定管理者制度導入前後の管理経費の比較では、年間約7,100万円の効果が出ております。また、市民ホールなどでは、開館時間や受け付け時間の延長、さらに、指定管理者の提案によります自主事業に取り組んできたことで、市民サービスの向上が図られ、利用者の増加や利用率の向上につながっております。  2点目の直営から指定管理者制度に移行させる公の施設の選定基準についてでございますが、平成16年5月に制定いたしました指定管理者制度運用指針に規定をしておりまして、その内容といたしましては、一つ目は、施設の設置目的、当該施設が提供するサービスの専門性、特殊性、施設の規模にかんがみ、的確な民間事業者等による代行が可能かどうか、二つ目には、民間事業者等に代行させることでサービス内容の充実や当該事業者等のノウハウの活用ができるかどうか、三つ目には、民間事業者等に代行させることでコストの削減が可能かどうかなどの視点から、総合的に判断しているものでございます。また、民間委託につきましても、同じく16年5月に制定しましたアウトソーシング推進指針の検討基準であります市民サービスの向上、効率化、経費の節減、民間の専門的な知識、技術の活用などの点に基づいて判断しているものでございます。  3点目の、今後、指定管理者を含め、民間委託移行を視野に入れた公の施設があるかについてでございますが、現在、総合企画局が所管をしております公の施設は全部で10施設ございますが、そのうち、市民ホール、ギャラリーの7施設につきましては、既に指定管理者による管理運営となっております。残る3施設──男女共同参画センター「ウェーブ」、貝類館、大学交流センターにつきましては、現時点では市が直接管理運営を行っております。地方自治法では、「地方公共団体は、その事務を処理するに当たつては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と規定をしておりまして、どのような管理運営の形態がその施設にとってふさわしいのか、また、市民サービスの向上につながるのかといったことは常に検討していく必要がございます。今後、こうした観点から、御質問にございます3施設につきましても、指定管理者制度運用指針をベースに、実施している事業の内容にも考慮しながら、適切な管理運営のあり方について検討してまいります。 よつや薫:  御丁寧にお答えをいただきましたけれども、市長から突然お答えいただいて、ちょっとびっくりしたんですけれども、今回は、指定管理者制度の是非というか、その辺も聞きたいということで、そういう趣旨でこの質問をしようと思ったんですけれども、一つの例として具体的に年間7,100万円の効果があったという数字を挙げていただいたことは、数字を挙げることは非常に難しいことやと思うんですけども、数字として出していただいたということは評価してもいいかなと思うんですけれども、ここでお答えいただいた先ほどの管理箇所の増減等があり、単純に比較することは困難だと思いますと言われたと思うんですけれども、そこがやはり制度の移行によってどのような効果、あるいは目的の達成度というものがあったかをはかるのが難しい側面ではないかなと思うんですね。また、お答えの中で、市民ホールなどでは、市民サービスの向上が図られ、利用者の増加や利用率の向上につながったということを言われてますけれども、要するに、管理経費の比較だけではなくて、例えば一つの施設について考える場合に、この施設として、指定管理に移行する前と移行した後の施設の管理運営を比較した場合、どのように向上したか、また、それをどう評価できるのかという指標のようなものですね、統一された基準──指定管理者に移ってる施設はいっぱいあるわけですから、各局にわたってるわけやから、統一した基準というのは難しいと思うんですけれども、そのようなものがあるのかどうかということ、そして、それが本来の目的を達したのかどうかということがわからないわけですから、そのような指標のようなものを市として持ってはるのかどうか。また、経費そのものについても、例えば市の直営のときと比べてどのように削減できたかということを比較していかないかんと思うんですけど、その比較も難しいと思うんだけれども、そういうものがないと、例えば私たちのような立場の者が後で検証できないわけですね。だから、そういうものがあるのかどうかということを、もう一回、時間がもう少なくなっていますけれども、できたらお答えいただきたいと思います。  それから、私は、人件費の面でどうなるのかということを聞きたかったんですけれども、これもなかなか答えとしては出にくいだろうと思います。ということで、これも、例えば直営のときの1人当たりの嘱託職員の方の報酬額が指定管理になる前と後で変わっていくのではないかという懸念があるわけですね。そういうことも実際に把握できるのかどうか、把握しておられるのかどうか。  その2点を再質問としてお答えいただきたいと思います。 総合企画局長(藤田邦夫):  ただいまの2点の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  いわゆる効果の面でございまして、なかなか比較検討が難しいというお話でございました。これは、先ほど答弁の中でも申し上げましたように、いわゆる業務内容の範囲が当然指定管理者を導入してからも変わってくる場合がございますし、もちろん箇所数も変わってくる場合がございます。そういった中で、非常に検討そのものは難しいかなというふうに思っておりまして、端的に申しまして、今、その指標のようなものがあるのか、あるいは統一基準のようなものを持ってるのかというお尋ねでございますけれども、これは、現在、市としてはそういったものは持ち合わせていないということで、できるだけその業務の前と後、これの業務内容等にも着目をしながら、一方で、いわゆる指定管理料、これとの関係について整理をしていく必要があろうかというふうにも思っております。  それから、2点目の人件費でございます。これも、指定管理者の導入前と導入後、それぞれ把握ができておるのかということでございますけれども、これにつきましても、もちろん雇用形態等が変わる場合もございます。それから、やっていただく業務の中身も変わってきますので、一概に比較するのは非常に難しいかなというふうに思っております。そういったことから、これは、選定をいたしました指定管理者と市との間でいわゆる協定書を取り交わしておりまして、労働基準法などの関係法令、これは必ず遵守するようにといったことを、この協定書の中で明記しております。平成17年からスタートしておるわけですけれども、今日まで、この協定書に違反をしておる、そのおそれがあるんではないか、こういったようなお話は、現在のところいただいていないというところでございます。もし万が一そういったことに抵触をしておるということが判明いたしました場合には、この指定管理者に対しまして、もちろん調査もいたしますけれども、適切に指導してまいりたい、このように考えております。 よつや薫) 前後で比較するための統一基準はないということだったと思うんですけれども、あと、報酬面ですね。具体的には、これも比較は難しいと。業務の内容や雇用形態も異なるということで、難しいということをおっしゃったんですけれども、要するに、市としてはそれを把握するべきではないかと私は思うんですね。だから、把握するのが難しいという── 一たん指定管理に出すんだから、その協定書の中できっちりとやればいいということだと思うんですけれども、そうじゃなくて──ちょっと時間がなくて、なかなか質問し切れないんですけれども、例えば直営の場合だったら、よく私などが使わせてもらう住民監査請求とか、それは、市会議員じゃなくて、一般の市民の人が市の施設に対しても何らかのチェック機能が働くというふうに考えられるわけですけれども、そういうことが指定管理になるとできなくなってしまうという、そういう指摘もあるわけですね。議会も同じことなんですね。議会としてもきっちりとチェックしたいわけですけれども、できなくなるのではないかということです。そういうところがあるから、できる限りいろんな情報を市としては把握してほしいということを、これは要望としてお願いしときたいと思います。  それから、二つ目、三つ目の質問の中で、今後どうなるかということをお答えいただいたわけですけれども、三つの施設は今後も、私としては直営でいくべきであろうというふうに考えています。というのは、専門性や特殊性、あるいは民間による代行が多分難しい部分が三つ残ったんだと思うんですね。そういうことで、できたらこれも再々質問したかったんですけれども、今後も直営でいかれるのがいいのではないかということで、それは要望としてお願いしときたいと思います。  以上です。
2013年12月29日