私は、市民オンブズ西宮のメンバーでもありますので、このところ、私のところにも多方面から、頻繁に電話がかかってきております。
無論、兵庫県議会議員の政務活動費の支出についてのことであり、市民の方から議員一般へのお叱りの電話もあるのですが、ただ、この件については、全く異なる自治体の議会の議員の話しなので、と丁寧にご説明しています。
先日もこのブログに関連事項を書きましたが、西宮市議会は、2007年から「透明性の原則」(議員自身による、市民への説明責任)に従って、領収書等の証拠書類を原則、すべての支出に関して添付しなければならないとしてきました。
それでも不適切な支出があったことから、市民オンブズ西宮が精力的に活動し、その結果もあり、非常にすすんだ「政務活動費運用に関する手引き」というものを3年前に「市議会」が策定しています。
その後も、オンブズの提起した裁判結果なども踏まえて手直しを加えています。
西宮市議会の「手引き」をもとに考えると、今回の野々村議員のような支出はは、全くありえない、信じられないものと言えます。
(たとえば、「城崎」「佐用」を往復してその領収書が添付されてないのはありえないし、使用目的が不明な切手の大量購入などもありえません)
遅きに失してますが、昨日の午後、県議会の事務局に伺いました。
県議会議員の昨年度の政務活動費の収支報告書の閲覧を希望したのですが、まだ10人近くの方が閲覧を予約して待っておられるとのことでした。見通しとして夜の8時になっても閲覧できるかどうかわかりません、というので、早々に退散してきました。
閲覧だけに予約が必要、なんて思ってもみなかったことで、これ自体が異常事態ですが、それならそうと、当該議員の分だけでも余分に何部かコピーをしておいて殺到する市民の閲覧に供すべきだと思うのですが…。
ただ、オンブズの一員としては、彼の分だけを見るということではなく、できる限り多くの議員の収支報告を見たいということもあり、「予約」をして、後日再度、伺うことにしました。
収支報告書をはじめ、証拠書類などの公文書のコピーが必要な場合は、は別に情報公開請求が必要で、それは、請求してきました。
(これは、一部のマスメディアでもでていることなので、お伝えしておきます)
職員の方々も、この件の発覚から1週間も経つのに、未だに苦情対応と思われる電話に追われている様子でした。
職員の方には、お気の毒と思いますが、それほど、議会のこれまでの政務活動費についての認識が甘かったと言えるでしょう。
さて、この騒動の中でいくつか、改めて考えさせられることがありました。
市民オンブズ西宮としては、これまで、何度となく、西宮市議会の議員を対象に住民監査請求及び住民訴訟を行ってきました。
(注:私は、チェックされる側にいるので、監査請求や訴訟の当事者にはなっていません)
その影で、兵庫県議会は、まだまだ甘いルールでやっていたのだということ。
この甘さは、どこからきているのか。
一つは、一昨年度の地方自治法の改正で、第100条14項を改悪して「議員の調査研究に資するため」から、
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「議員の調査研究その他の活動に資するため」と改めたことも甘さが弛緩する原因ではないかと考えられます。
法律を改めて、緩くした張本人の一人である菅官房長官が昨日、この件に関連して「政務活動費は、制度の趣旨に沿って、適正に使われるべきだ」と述べたというのですから、笑ってしまいます。
そもそも、自治法の改悪に動いたのは、自民系の地方議員からの「もっと使いやすい政務調査費に」、という声を受けてというものなのですから。
こうなると、今度は、「適正に使える」ように、もっと厳しい内容の条文に、改めてしていくべきじゃないでしょうか。
ついでながら、あの自治法改悪の頃、指摘したのは、大阪維新の会の地方議員たちの例ですが、以下のような政調費の使い方をしていました。
・京都大大学院への入学金(28万2000円)の半額を支出
・「プレミアムチェア専門店」で購入した高級椅子(6万8000円)の8割計上。
・英国製サイクロン式掃除機(5万8800円)も8割計上。
・温水洗浄便座に2万3840円
・氏名や住所、電話番号などを彫った印鑑3式(約7万9500円)を購入、9割を計上
・自ら経営する会社の一角を事務所に使い、家賃(月6万7000円)の6割を支出
・同じ党派・31人の府議は政策調査費690万円を使ってシンガポールにカジノを見に行った
などなど。
これらのその後は、どうなったのか、追跡できていません。
メディアが追跡してない、ということもあります。
今回のことも、一人の議員の問題とするのでなく、議会の問題として、何が本質的な問題なのかを見逃すことのないようにしたいものです。
私たち議会にいる者、メディアの方々、そして、一般の市民の今、関心をもって厳しい目を向けているみなさんも。
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