よつや薫市議会報告

キラリ☆かおる市民ネット通信 No.40 2023年春号

キラリ☆かおる市民ネット通信 No.40 2023年春号

私たちの個人情報が知らぬ間に利用されてしまう時代に

新型コロナウイルスによる全世界的大流行、いわゆるパンデミックが起きて、丸3年が過ぎました。

国内での感染状況がまだ、その出口を見いだせず、しかも人間の予測を越えて変異するウイルスに対して、市の感染症対策や医療機関、保健機関に関わるすべての職員の皆さんには改めてこの間の対応に敬意を表したいと思います。

「新個人情報保護法」の目的は保護ではなく、個人情報の利活用

さて、コロナ禍にあっても、議会はコロナ対策予算などを含めた臨時議会も開きつつ、停滞することなく続いてきました。

また、この3年、リモートワーク等が進み、教育現場でのタブレット導入など、デジタル社会の推進が、住民の皆さんの利便性に資する面もみえてきました。

しかし一方、2021年菅政権下で成立した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」に基づき、個人情報保護制度の「見直し」として、これまでの対象別にあった個人情報保護法の三本の法律を一本の「新個人情報保護法」にまとめ、地方自治体もその対象とされてしまいました。

これまで各自治体の個人情報保護条例は国の法制化にはるかに先行して制定され、実務が積み重ねられてきました。その点は国も「独創的な規定を設けている条例も見られるなど、地方公共団体の創意工夫が促されてきた。

我が国の個人情報保護法制は、地方公共団体の先導的な取組によりその基盤が築かれてきた面がある」と認めています。

しかし、国が昨年出したガイドラインでは、 活発化する官民や地域の枠を超えたデータの利活用に対応するためとして、自治体の独自の条例の規定のことごとくを「許容されない」とし、「個人情報保護条例」とは名ばかりの条例に大きく変容させるものです。

18歳、22歳の全市民の4情報(名前、住所、性別、生年月日)を自衛隊に提供してきた問題

一方、政府が防衛力を抜本的に強化するとうちだし、「敵基地攻撃能力」の保有を明言し、防衛費として歴代の政権が堅持してきたGDP比1%を大きくやぶって2%まで拡大しようとする中、各自治体が18歳、22歳の全市民の4情報(名前、住所、性別、生年月日)をデジタルデータとして自衛隊に提供してきた問題は、12月議会でも取り上げました(中面参照)。

今回の個人情報の法制化により、住民ひとり一人の個人情報のやり取りが私たちの知らない間になされてしまう危険性があります。

日本国憲法

第13条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

議会報告 2022.6~12

6月議会 一般質問 

子宮頸がんワクチン接種勧奨再開について

子宮頸がんワクチンは、2013年副反応の事例が少なからず報告されたことから、積極的な接種勧奨を約9年間見合わせていました。

しかし、2021年11月の厚生科学審議会予防接種・ワクチン部会(以下、審議会)で「HPVワクチン接種状況について、安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました」と結論づけ、ワクチン接種勧奨が再開され、2022年4月から西宮市でも個別勧奨が始まっています。この点について質問しました。

【よつやの質問】 9年前の一般質問でも、ヒトパピロマウイルス(HPV)によって発症する子宮頸がんは、感染者全体の0.15%という研究者の数字を指摘した。発症する可能性のない99.85%の子どもたち(11~16歳のすべての女子)にもワクチン接種を促す問題について、市はどのように市民に伝えているのか。

【答弁】 定期接種対象者全員に送付している厚労省のリーフレットには、患者の発生件数や発症率などを記載しており、接種を判断する情報の一つと考えている。

【よつやの評価】 リーフレットには全女性人口に対する発症率の低さは載せられておらず、接種によるリスクの判断材料にはならない。発症の可能性のない子どもたち(11歳も含む)への悉皆的接種によるリスクは明示されていない。

12月議会 一般質問 

自衛隊への名簿提供について

【よつやの質問】  自衛隊法上、自治体が名簿の提供を求められれば18歳と22歳の全市民の4情報(住所、名前、生年月日、性別)を閲覧させることになっている。現行ではデジタルデータを渡しているが、宛名ラベルを渡すことで目的は達せられるのではないか。

また、該当する市民から「自衛隊に個人情報を提供しないでほしい」と要望があった場合は、その人の情報を取り除いて提供するべきではないか。

【答弁】 募集対象者の情報の取扱いは、自衛隊と本市の双方が細心の注意を払って対応しており、現行の方法等に問題があるとは考えていない。しかし、他市の事例等も参考にしながら、情報提供の方法の改良の可能性について研究を続けていく。一部対象者を除外して情報提供することについても実現に向けて検討を進める。

【よつやの評価】 デジタルデータで名簿を提供する必要はない。ただ、自衛隊法上、何らかの形で情報開示に応じなければならないのであるなら、対象者の希望により、自衛隊への情報提供から除外するのは、最低限やらなければならない方法といえる。

12月議会 その他の協議事項 

反対議員多数のため不採択・・・
「国に対し『介護保険制度の改悪をしないことを求める意見書』の提出を求める請願」

請願の紹介議員になりました。請願事項は、

  1.  介護保険サービスの自己負担を原則2割にしないこと。
  2.  ケアプラン作成を有料化しないこと。
  3.  要介護1,2を生活援助の保険給付から外さないこと。

2.3の項目については、今回の改訂では一旦、見送られましたが、今後も再浮上する可能性のある改悪案です。介護の社会化を目指した制度が逆行するのではないかとの危惧もあり、請願採択の賛成意見を述べましたが、賛成する議員が少なく、不採択となりました。

旧統一教会との関係で「坂上明議長不信任決議」案を提出しましたが、反対議員多数のため不採択・・・

2022年11月、AERA dot(. ネットニュース)で西宮市議会の坂上議長の旧統一協会との関係が報じられ、議会運営委員会において、よつやが事実関係を確認したところ、ちょうど統一協会の反社会性が明るみに出た1992年頃から統一協会と関わりをもっていたと議長自ら認めました。

「統一協会との親密な関係を報じられ、西宮市議会の名誉を棄損した坂上議員は議長職に留まるべきではないことの確認を求める陳情」が市民から出され、市議会も有志で「坂上明議長不信任決議」案を提出しましたが、議会の過半数の会派は「不信任決議」に賛成せず、不採択となりました。

「女性の議員を増やそう」と訴えるにはちゃんとした理由がある…

4月の統一地方選挙では多くの女性の果敢なチャレンジを期待しています

女性議員を増やそうという動きは、90年代半ばから女性の市民グループを中心に始まり、徐々に女性候補、女性議員は増えてきました。

しかし、2020年までの数値目標と政府が掲げた30%には国会議員も地方議員も遠く及ばず、女性議員は10%前後の割合にとどまっています。

西宮市議会は議員不足の地方議会とは無縁で「なくそう! 議員特権」のコーナーにも書いたようにむしろ選挙ごとに激戦区となっています。しかし、なぜか女性は増えず、定数41のうち7人のみ。特に1999年に26歳の男性(のちの今村岳司元市長)が当選して以降、選挙ごとに西宮市議会では必ず1~2人の20代男性議員が誕生していますが、その間、20代の女性候補は一人も登場していません。

なぜでしょう? 若い女性は圧倒的多数の男性が実権を握る議会で議員になるという選択肢がない、あるいは躊躇しているのかもしれません。ではなぜ若い男性は女性のように躊躇しないのでしょうか。

「女性を当然のメンバーシップの一員だと認める社会において、女性抜きの議会はあり得ない」と、荻上チキさん(社会調査支援機構チキラボ所長)はいいます。

女性の議員が増えることで、注目されてこなかった争点、論点、たとえば、医療、福祉、外交に対して予算が分配され法案が通りやすくなり、活動が活発化し、社会に変化をもたらすという調査結果があり、ロールモデルとしての女性の議員が増えることで、若い女性が政治に対する議論を活発に行いやすくなると指摘しています。

人口比と同じくらい、さまざまな年代の女性の議員が増えれば、今より住みやすい社会になると思いませんか。


女性の議員ゼロ。2023.1/25の衆議院、議院運営委員会。
(海江田万里議員のTwitterより)

なくそう!議員特権

議員不足にならない適正な議員報酬の額とは

全国の地方議会で議員のなり手不足が問題になっています。共同通信社が地方議会議長にアンケートをした結果、議員のなり手不足解消に有効な対策は「議員報酬引き上げ」という回答が77%とのことです。

西宮市議会はじめ阪神間の各市議会の選挙では定数を大きく上回る立候補者があり、メディアでは“激戦”という表現をされています。なり手不足の議会とは異なり、議員報酬が高額だからとも考えられます。

西宮市議会の報酬額は兵庫県内では神戸市に次いで高いことは、この欄で何度か指摘してきました。議員定数が41に減ってからも2015年は60人、2019年は56人の立候補者があり、今年4月の統一地方選挙では60人を超えると予測されています。

議員報酬が高ければ議員のなり手不足に陥らない例といえます。

12月議会では、人事院勧告に従って国家公務員特別職(国会議員等)の期末手当が改正されることに伴い、市議会議員の期末手当も準拠して、これまでの期末手当に上乗せする条例改正案が市長から出されました。

しかし人事院勧告に準拠しなければならない法的根拠はなく、共産党議員団とともに上乗せしない修正案を提出しましたが、過半数を得られず、上乗せして支給する原案が可決されてしまいました。

議会のお手盛りで増額を決めたのです。

新型コロナウイルス感染症に伴う諸般の事情を考慮して、2020年度の6月から10カ月間、西宮議会は議員報酬15%を自主減額しました。15%減でも、宝塚市議会や芦屋市議会の報酬額よりもなお高く、現行の報酬額でも多くの立候補者を得ています(下表参照)。

2023年 統一地方選挙日程

《兵庫県会議員選挙》

告示日 3月31日(金)
投票日 4月9日(日)

《西宮市議会議員選挙》

告示日 4月16日(日)
投票日 4月23日(日)

INFORMATION

【市民オンブズ西宮】定例会
■毎月第1 土曜 10:00 ~ 12:00
■会場: 原則 西宮市市民交流センター
■TEL: 0798-52-9157(折口)

【女・女西宮】女・げんき・ビデオ&トーク
■毎月第2金曜 19:00~
■会場: ウェーブ
■MAIL: onnagenki2010@gmail.com

2019年4~12月 会計報告

政務活動費(円)

交付額 1,440,000
支出 0
返還額 1,440,000

議員報酬(円)

収入

議員報酬 6,183,000

支出

所得税 567,000
市県民税 625,900
その他公租公課 489,200
国保・介護保険 850,000
議員互助会 9,000
広報・年会費等 291,000
活動事務経費 362,130
報酬供託相当額 540,000
選挙準備費 450,000
生活費等 1,998,770
合計 6,183,000

政務活動費返還予定額について

政務活動費は年間144万円(四半期ごとに36万円)が先に交付され、年度末に残額を返還します。私は、広報・広聴費、事務費、事務所費等は政務活動費から一切支出すべきでないと考えています。

2022年度は、2021年度に引き続き、その他の政務活動での支出が若干あるものの私費で賄い、コロナ禍で市の財政も厳しい折、政務活動費からは一切充当せず、全額を返還する予定です。なお、全議員の2021年度の政務活動費の収支報告は議会のホームページに載っています。ご参照ください。

その他の会計報告

受け取り拒否と供託について

新人議員のときから「なくそう! 議員特権」とうったえ続け、議員に支出される公費について厳しくチェックし、不要な役職加算の廃止、高い報酬の減額部分について受け取り拒否あるいは供託で返上してきました。

受け取り拒否は、新人議員の任期の始まる直前の額にあたる月額報酬(230,000円)、審議会委員報酬(累計302,517円)です。

また、議員報酬削減を最低1割として、その相当額と、他市に例のない常任委員会の正副委員長加算も受け取るべきでないと考え、その合計額を供託相当額としています。なお供託金は、払渡請求権が10年で時効消滅して国庫に入ってしまうため、時効消滅の期限に近いものから払渡請求をして女性議員をふやす活動をしている一般社団法人に寄付をしています。

編集後記

民主党政権時代の「子ども手当」と現政権の「児童手当」。結局、民主党の子ども手当が正解だったのではないか

新型コロナワクチン接種事業のコールセンター業務の再委託事業者に約4 億5000 万円過大請求されていた事件。

原則禁止の再委託を許した西宮市の業務委託先、大手人材派遣会社パソナの再委託先への杜撰管理。“何でも民間委託” の陥穽☆ “国葬” の大騒
ぎが遠い昔のように思える。

昨年9 月議会で中曽根元総理の合同葬の折には国からの要請があっても市庁舎などで半旗掲揚はなかった、との答弁があった。しかし昨年9 月27 日は要請がないのに半旗掲揚にしたその市長の姿勢には一貫性がない

同性婚に関連して首相秘書官の差別発言。

そもそも首相の「社会が変わってしまう」という答弁からだ。10 年前、ニュージーランド国会では同性婚法案について「明日も太陽は昇るし、世界はそのままだ。影響のある人には素晴らしいことで、他の人には何も変わらない」との名演説をこの国の首相に送りたい

今年は統一地方選挙の年。

阪神・淡路大震災の1995 年の統一地方選挙で任期のズレが生じていた。この28年の間、6 月11 日に任期が始まり、4 年後の6 月10 日までの任期だったものが、今回の選挙後解消される。現職の任期が1 か月と10 日間短縮されて4月末日までとなり、5 月1 日から新たな任期が始まる

コロナ禍で丸3 年。

〝マスク下〟も3 年。その間、一度も風邪をひかなかったのに、コロナワクチン接種後の昨年末、4 年ぶりに風邪をひき、今年2 月上
旬にはコロナ疑いの症状でPCR 検査を受けるも陰性。でも鼻水と微熱、セキがなかなか止まらなかった。どないなってる? (よつや薫)

[ よつや薫の市議会報告会] は不定期で開催しています。日程・会場等はHP などでお知らせしています。
キラリ☆かおる市民ネット通信 No.40《2023. 春号》
【発行】よつや薫(西宮市議会議員) 〒662-0965 西宮市郷免町3-22 TEL/FAX 0798(22)8832 議員控室(35)3539
※この通信発行の費用はすべてよつや薫個人の報酬から支出しています政務。活動費から一切支出していません。
※ 発送・ポスティング等は市民のボランティアに支えられてい ます。

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