男女共同参画社会実現にむけた「条例」がない西宮市
6月定例会では、ジェンダー(社会的文化的性差)にとらわれない政策を進めるべきではないかとの趣旨で男女共同参画推進政策について一般質問を行いました。
整備がすすむジェンダー関連法
1999年に男女共同参画社会基本法(以下、基本法)が制定されて以来、すでに四半世紀が過ぎました。
この基本法に関連して国は、2001年DV対策法(配偶者からの暴力のの防止及び被害者の保護等に関する法律)、2016年女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)、2018年政治分野における男女共同参画の推進に関する法律、2022年困難女性支援法(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)、2023年LGBT理解促進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)を整備しました。
また、政治分野における女性の参画をより推進するため、2021年には政治分野における男女共同参画推進法が改正されました。
指導的地位に女性が占める数値目標203030
毎年世界経済フォーラムが発表する各国の男女格差を定量化する国際指標GGI(ジェンダーギャップ指数)、日本は148か国中118位(2025年発表)とG7諸国の中で女性の地位は最下位です。
政府は2030年までに社会のあらゆる分野において、女性が指導的地位に占める割合を30%になるよう数値目標「203030」を掲げています。
西宮市の取組みとしては1997年に「新女性プラン」を策定して以来、男女共同参画施策をすすめてきました。市の管理職に占める女性職員の割合は徐々に増えてはいますが、課長職はまだ30%には至っていません。
市議会議員に占める女性議員の割合は20%台(41人中11人)にとどまっています。お隣の宝塚市議会は50%以上(26人中14人)を達成し、人口の男女比とほぼ同じ状況になっています。
市の答弁「条例は作らない」
性別に関係なく自由な生き方ができる社会を考えたとき、西宮市には基本法に基づく条例が存在しないという点に行き当たります。
兵庫県内、西宮市を除くすべての中核市には基本法に基づく条例があります。宝塚市、芦屋市もいち早く制定しています。
明石市「あかしジェンダー平等の推進に関する条例」(2023年)は、前文に「これからジェンダー平等を推進していくためには、すべての取組にジェンダー平等の視点を取り入れる『ジェンダー主流化』の観点からも、あらゆる場における意思決定過程において性別等にかかわりなく多様な人々が参画して、施策や取組が行われることが必要です」とあります。
西宮市も全市民に向けて「男女共同参画社会基本法の理念を条例制定によって改めて示すべきではないか」と質問しましたが、市の答弁は「条例は作らない」でした。
行政が目標達成のために具体的にどのような行動を取るべきかを策定し管理する「行動計画」だけではなく、すべての市民に呼びかけ基本法の理念を共有できる「ジェンダー平等条例」が必要だと考えます。
※女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約第3条 締約国は、あらゆる分野、特に、政治的、社会的、経済的及び文化的分野において、女子に対して男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的として、女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。(日本は1985年批准)
2026.議会報告
6月議会一般質問
「特定利用空港・港湾」について
【よつやの質問】
2025年8月29日に国から示された「総合的な防衛体制の強化に資する取組について(公共インフラ整備)」で、「安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため、南西諸島を中心としつつ、その他の地域においても、自衛隊・海上保安庁が、平素から必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設ける」。特定利用空港・港湾として、伊丹の大阪国際空港も候補にあがっている。
大阪国際空港が特定利用空港となった場合、西宮市の懸念、市民への影響など、どのように認識しているのか。また、市民生活に悪影響があると考える場合、受け入れるべきではないとの意思表示はできるのか。
【政務局長答弁】
西宮市は、大阪国際空港の周辺都市によって1964年に設立された「大阪国際空港周辺都市対策協議会」(以下、10市協)の一員。設立以来、環境対策と安全対策を最重要課題と位置づけ、国に要望活動を続けてきた。
また、1990年に締結された大阪国際空港の存続及び今後の同空港の運用等に関する協定においても、都市型新空港としての活用と環境・安全対策の充実に努めることを掲げている。
大阪国際空港の運用は市民の安全と生活環境の保全の確保が最も重要という考えは変わらない。
本件は、現時点で10市協で正式な情報が共有されていないため、本市や周辺自治体に与える影響などを明確に申し上げることは難しい。今後、国からの情報については、特に市民生活への影響を意識しながら注視する。
市民生活への影響は現在不明だが、市民生活への悪影響が懸念される場合は10市協内で意思表示を行う必要があり、国などへ意思表示する場合には10市協の総意としてするべきと考えている。
これまでの一般質問(抜粋)
選挙の公平性について (2024年12月定例会)立候補者が自身の当選を目的としない立候補の是非
2024年11月17日兵庫県知事選挙では、前知事である候補を応援する目的で立候補した候補(以下、応援候補)が、ポスターにも選挙公報にも「自分には投票しないでください」と明記し、選挙のきっかけとなった前知事を「もう一度戻さないといけない、その思いで17日間活動していきます」と応援候補は前知事を当選させる選挙運動を展開した。
公職選挙法は公平性を担保するため、候補者一人当たりのポスター枚数、選挙カーの台数、ビラの枚数、はがきの枚数なども制限されている。
当選を目指さない応援候補により、2倍の量いわゆる二馬力選挙となり不公平になる。応援候補は、前知事擁護の言説を掲示し、インターネット
に100本以上の動画を投稿。総再生回数は1,500万回にのぼり、動画は複数のチャンネルにも転載され、数百万回再生されている。このような選挙運動を認めれば、今後西宮市での模倣犯が出るのではないかと危惧される。
【よつやの質問1】
公平性の観点から到底許されないと考えるが、選挙管理委員会はどのように解釈されているのか。
【よつやの質問2】
ポスターなどに、亡くなられた方の名誉棄損にあたる表現、尊厳を踏みにじる表現を応援手段に使うことを許す根拠はあるのか。
また、ポスター掲示場の設置者である西宮市選挙管理委員会は、ポスターの内容が人権侵害の場合、放置することによって名誉毀損という不法行為に基づく共同不法行為責任が問われるのではないか。
【選挙管理委員長答弁】
過去の判決によれば、公職選挙法における選挙運動とは、特定の公職の選挙につき特定の立候補者に当選させる目的をもって直接または間接的に必要かつ有利な取りまとめ、勧誘等の行為である趣旨で示されている。
国も、法解釈上候補者は他の候補者の選挙運動ができないとの見解を示している。具体的な活動に違反しているかは警察が事実に基づいて判断する。
公営ポスター掲示場に掲示しているポスターについては、公職選挙法は大きさや記載事項の規定があり、選挙管理委員会が事前審査をしているが、それ以外の内容については審査できないことになっている。
一般に選挙ポスターの内容は、第三者への加害を含む表現がある場合、事実関係の認定、各種法令で規定された犯罪に触れるか否かを含め、取締りは警察が行い、違法性の判断に関しては最終的に司法に委ねられることになる。
民法上の共同不法行為責任については、昭和51年最高裁判決で候補者の政見その他の主張に関するポスターの記載内容に当否を審査し、取消しまたは修正を命ずることは、選挙管理委員会が立候補者の政見、主張に介入・干渉することとなり、ひいては選挙の自由公正を害するものであるとして、認めないとされている。
【よつやの評価】
違法が疑われる選挙運動について、警察や司法の判断を待たざるを得ないのでは取返しがつかない。一昨年の知事選のようなことが、繰り返されるのではないか。
また、同選挙で第三者(故人)への名誉棄損表現のポスターが貼り続けられ、名誉の回復措置ができない理不尽も残る。公職選挙法の悪用を防ぐ対策を求めたい。
兵庫県問題
2024年3月27日の定例記者会見の場で知事自ら、退職間近の県職員の内部告発文書について虚偽を交えて開陳したことにより、「文書問題」が不特定多数の市民の知るところとなりました。
公益通報者保護法違反(2025年3月「文書問題に関する第三者調査委員会報告書」より)に始まり、知事の指示をうけた職員による個人情報保護法違反、地方公務員法違反、県議会全会一致の不信任決議後の知事選では公職選挙法に抵触する二馬力選挙を展開し、問題の張本人が再選され、異常事態の収拾はまったく見通せていません。
一方、県の財政は、実質公債費比率が18%を超える常態となり、8月には「起債許可団体」への転落の見通し。西宮市の実質公債費比率5%と比べても異常であることがわかります。
対策を講じなければ2030年度には比率25%を超え、都道府県では例のない「早期健全化団体」に転落の懸念。
また、顕在化したのがSNSでのデマ拡散、誹謗中傷の横行。私も知事に批判的な一言を書き込み、厳しい攻撃を受けました。為政者の事実を書くことでおびただしい攻撃に遭う…。憲法が保障する表現の自由は、民主政の過程の根幹をなす権利であることを改めて確認したいと思います。
なくそう!議員特権
報酬削減ではなく、なぜ、定数削減なのか?
2025年3月議会において、議員定数1削減案が賛成多数で可決されてしまいました。
- 定数削減を主張する会派は、「財政改善を市に求めるのであれば、議員も定数を削減して痛みを分かち合うべき 」と 。 しかし、定数削減で痛みを引き受けるのは定数41から40に変わることで41番目で落選する候補者だけ。
- 痛みを分かち合うのであれば、報酬1割を削減すれば、定数1を削減した場合の諸経費約1,300万円(年額)よりも、議員全員の報酬の1割約4,862万円(年額)を削減するほうが財政改善になります。議会基本条例第8条第1項第2号「市の財政が一定悪化したとき、行財政改善が実施されるとき、報酬を減額できる」という規定にもあてはまります。
- チェック機関としての市議会、西宮市の場合、議員一人当たりの人口は、近隣都市と比べて最大の人口を抱えています。一人減らせば市民の声を市政に生かす機能が低下し、多様な意見の反映が難しくなります。
- 議案提出者を除く、賛成の3会派と無所属2人(当時)から、賛成理由は聞けませんでした。財政面での痛みを分かち合うのであれば、報酬削減をするべきだと考えます
「女性の議員を増やそう」と訴えるにはちゃんとした理由がある…⑨
男女ともに、立候補を断念した理由の1位は「立候補にかかる資金の不足」ですが*
女性議員が劇的には増えない要因はいくつか考えられますが、その一つは「男女間の経済格差」であるとの指摘があります。立候補に必要な供託金(中核市・一般市は30万円)の負担感は女性の方がより重く感じるのは、当然だといわざるを得ません。
選挙で一定の票数があれば供託金は返還されますが、経済的な要因で立候補を断念してしまう場合は少なからずあるでしょう。
国会議員に立候補する場合の300万円に対しては、国連の女性差別撤廃委員会が日本政府に「女性の意思決定機関での平等な代表を早期に実現するための特別措置として、女性が国会議員に立候補する際の供託金を一時的に300万円から引き下げること」と勧告しています。
国会議員選挙の供託金ほど多額ではないとしても、地方議員や地方の首長選挙(一般市100万円)における供託金も当然、是正されるべきだと考えますが、現状においては立候補の際に供託金の準備は必須です。
他の県議会では海外視察などの問題がまだあります。さすがに西宮市議会ではあり得ないことですが、“普通”の経済感覚で“普通”に生活している人が身近な地方政治にかかわることの重要性を感じます。また、男女格差のある社会において、まだまだ女性にしか見えない日々の暮らしや地域の課題があります。
地方自治体選挙に立候補したい女性(無所属)に供託金を支援する一般社団法人を設立しています。地方自治体の議員になろうと考えている女性や支援者の方、いつでもご相談にのりますので、お声かけください。
*「令和6年度 女性の政治参画への障壁等に関する調査研究」(令和7年3月内閣府男女共同参画局)
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/local-councilor-r6/overview.pdf
2026年9月市議会日程(開会は原則10時)
8月
- 31日 本議会提案説明
9月
- 4~8日 本会議一般質問
- 9日 本会議一般質問、質疑、委員会付託、追加議案
- 11日 常任委員会(総務、健康福祉、教育こども)
- 14日 常任委員会(民生、建設)
- 16日 委員長報告、討論、採決/提案説明・監査審査意見(一般・特別会計決算)/質疑・委員会付託(企業会計決算、一般・特別会計決算)/決算特別委員会全体会(本会議終了後)
- 25日 決算特別委員会分科会(総務、健康福祉、教育こども)
- 28日 決算特別委員会分科会(総務、健康福祉、教育こども)
- 29日 決算特別委員会分科会(総務、民生、建設)
- 30日 決算特別委員会分科会(民生、建設)
10月
- 5日 決算特別委員会全体会、議会運営委員会/本会議、委員長報告・討論・採決
※詳しくは議会ホームページ等でご確認の うえ、ぜひ傍聴にお越しください。
INFORMATION
【第33回全国市民オンブズマン兵庫・尼崎大会】
2026年9月12日(土)、13日(日)
12日 13時~18時(会全体)
記念講演 「内部告発者を、裏切り者、スパイと呼ぶ社会にしてはならない」
講師:金平茂紀(ジャーナリスト)
内部告発をめぐる報告・対談
報告者:丸尾まき(兵庫県議会議員)、オンブズ関係者ほか
13日 9時~12時(分科会・全体会)
議会活動で活かす包括外部監査、間違いだらけの政治倫理条例など
- 会場: 兵庫県尼崎市中小企業センター(阪神尼崎駅より北東へ350m)
- 参加費(2日間):会場2,000円、オンライン1,000円
- 申込: Peatix(事前決済)https://ombuds2026.peatix.com 9月4日締切
- どなたでもご参加いただけます。
政務活動費について よつや薫の考え方
西宮市議会の政務活動費は年間144万円(四半期ごとに36万円)が先に交付され、年度末に残額を返還します。
私は、政務活動と個人の政治活動や私的使用との区別が困難な広報・広聴費、事務費、事務所費は政務活動費から一切支出すべきではないとの考えから、全体の充当も少額に抑えてきました。
2024年度は市の財政改善の方向性が示されていることから、年額144万円はそのまま返還しました。2025年度は政務活動費の交付申請自体を行いませんでした。
※2026年度の政務活動費
2025年度と同様の趣旨から、26年度も政務活動費の交付申請を行っていません。
西宮市議会の2025年度の政務活動費の収支報告はすでにホームページに載っていますが、交付申請をしていないので、収支報告の欄によつや薫の報告はありません。議員活動にかかる経費については、すべて議員報酬から支出しています。
2026年4~6月 会計報告
収入
| 議員報酬 | 2,061,000 |
|---|
支出
| 所得税 | 183,870 |
|---|---|
| 市県民税 | 220,200 |
| その他公租公課 | 79,800 |
| 国保・介護保険 | 278,470 |
| 議員互助会 | 3,000 |
| 広報・年会費等 | 87,300 |
| 活動事務経費 | 321,820 |
| 報酬供託相当額 | 180,000 |
| 選挙準備費 | 150,000 |
| 生活費等 | 556,540 |
| 合計 | 2,061,000 |
その他の会計報告
受け取り拒否と供託について
新人議員のときから「なくそう! 議員特権」とうったえ続け、議員に支出される公費について、これまで、厳しくチェックし、不要な役職加算の廃止、高い報酬の減額部分について受け取り拒否あるいは供託で返上してきました。
受け取り拒否は、新人議員の任期の始まる直前の額にあたる月額報酬(230,000円)、審議会委員報酬(累計302,517円)です。報酬削減を最低1割として、その相当額と、他市に例のない正副委員長加算も受け取るべきでないと考え、その合計額を供託相当額としています。
なお、供託金は、払渡請求権が10年で時効消滅して国庫に入ってしまうため、時効消滅に近いものから払渡請求をして女性の立候補者を増やす活動をしている一般社団法人にその額を寄付(所在地:大阪府)しています。
編集後記
ジェンダー平等条例制定を! と言ってもなかなか浸透しにくい。卑近な例だが、これまで個人の陳情をされた市民の9割以上が男性だった。また、私へのご批判やご意見を議会事務局や私自身に発信やお手紙を下さったのは100%男性だった。
西宮市の人口の53%が女性なのに。
女性議員が増えてほしいと考える理由の一つがその辺りにある
☆7月西宮市「原爆展」に伺った。
被爆者ご自身が描かれた原画のコピーのパネルが文字通り被爆の実相を伝える企画だった。非核三原則、持たず、つくらず、持ち込ませず、の特に「持ち込ませず」の危機が指摘されている。この原爆展はできれば常設化してほしい
☆10年議員を続けると全国市議会議長会から勤続表彰される。
その賞状をもらったという無所属議員に「私は表彰も叙勲もあらかじめ断っている」と言えば「なぜ断っているのですか?」と尋ねるので「無所属市民派だから」と答えた。また10年以上の議員が現職で他界すると叙勲までされてしまう。市民に選挙で選んでいただいたというだけで十分だし、それ以上の栄誉? は不要だ。ましてや地方議員に叙位・叙勲というのは戦前の権威主義の残滓ではないか(よつや)












