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女性都議へ自民党議員が発したヤジについて

 一昨日のこのブログでも少し触れましたが、18日の東京都議会で、妊娠、出産、不妊に悩む女性への支援の必要性を訴えた塩村文夏議員(35歳)に対し議場から「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」などのヤジが、自民党の議員団の一角から飛んだといわれている件について。

 このやじの内容が公然と行われたセクシャル・ハラスメントであることは言うまでもないことです。

 誰が発したか(複数いたらしい)が特定できず、自分には「聞こえなかった」と否定する自民党議員さえいました。
 まず、その点だけでも、非常に情けなく、自分たちで問題解決しようというあたりまえのことさえできない議会のようです。

そして、一番問題なのは、塩村議員が質問していた内容に対して、このようなやじを飛ばした議員たちの認識の低さ、問題意識の欠如、社会情勢を見るに鈍な感覚、およそ現代のこの社会に議員として存在することの資質を根底から疑わざるを得ないような不見識極まりないヤジの内容である、という点です。

 かつて「女性は産む機械」と当事の厚労大臣が発言して物議をかもし、批判を受けた時代から何も変わっていない。
 むしろ、女性の活躍を、と首相自ら旗を振っているその同じ党の一員の人たちがこんな発言をするという、議員としての資質を疑わざるを得ないことが、あまりにも情けない。

 既に、この件は、世界に向けて発信されてしまっています。
 東京都議会が、どう決着をつけるのかただ、見守るしかないですが、こんな低レベルな意識の人たちは、その意識を変えない限り議員に居座らないでほしい、と私は、個人的には言いたいです。

 ヤジを浴びた塩村議員の年齢は、ちょうど女性としては、子どもを出産するかどうか、人生の中で一番、悩む年代です。
 産める状況であれば、産みたい、という人も多いでしょう。
 しかし、事情があって出産できない人、産まないと決めた人、自己決定のいとまもないほどに働きずめに働き続けなければいけない女性もいるはずで、人によってさまざまな立場、状況があるわけです。
 私自身も実は、とても悩んでいた年頃でした。
 そして、その前後に婦人科系の疾患が見つかってしまい、子どもを産み育てるという経験そのものを断念せざるをえませんでした。
 そんな女性たちのさまざまな思いや、置かれた状況を全て踏みにじるようなヤジであったわけです。

 また、余談ですが、この件で、いくつかの局のキャスターの口から「ヤジは議場の華」なんて、言葉が出ました。
 全くこれも時代錯誤な表現です。
 いかにウイットに富んだヤジであっても、ヤジはあくまでも許可を得て発言する発言者への妨害行為であり、許可を得ないで発する単なる騒音でしかないと私は思います。

 また、「東京オリンピックがあるのに」、なんていう論調も、東京都だからでしょうが、これもおかしいです。
 オリンピックがあってもなくても、もう、既に、こんな都議会の状況を許す社会であってはいけないはずなんですが…。

 

 

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