よつや薫市議会報告

キラリ☆かおる市民ネット通信 No.39 2022年春号

キラリ☆かおる市民ネット通信 No.39 2022年春号

コロナ禍の下、2 年余りが過ぎました

新型コロナウイルス感染症に関する差別を許さない

新型コロナウイルス感染症の世界的拡大から約2年がたちました。この間、コロナ禍が私たちに突き付けたものは、健康被害や就労環境の悪化だけでなく、差別意識をも吹き出させてしまいました。

2021年8月には阪神間の各首長が共同で「新型コロナウイルス感染症に関する差別を許さない」とのメッセージを発しましたが、感染者差別だけでなく、医療・福祉施設
従事者等への不当な差別や、感染症が発生した場所への不当な差別もあります。厳に慎みたいものです。

現在の石井登志郎西宮市長の任期は2022年4月で満了となり、3月27日に西宮市長選挙(告示3月20日)が行われます。2021年12月議会の冒頭、2期目を目指すと表明した現職の石井市長(無所属)のほか、日本維新の会の一年生議員であった増山前県議が日本維新の会公認候補として立候補を予定です。

この西宮市長選挙に関して、日本維新の会の馬場伸幸共同代表は「兵庫での党勢をさらに拡大するきっかけにしたい」(1月16日神戸新聞記事より)と述べています。

コロナ禍の収束がみえない時期の西宮市民の生命や生活に配慮することもなく、自分たちの党勢拡大のために西宮市を踏み台にするかのような維新の代表の発言。

そこには48万人市民は不在です。西宮市民として、また市議会に身を置くものとして、ア然となりました。

日本国憲法

第99条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

西宮市の相談窓口 ~保健所からのお知らせ~

新型コロナウイルス医療相談窓口
(発熱等受診・相談センター)
0798-26-2240
かかりつけ医などがなく、相談先に迷う場合、帰国者や陽性者との接触歴がある場合はご相談ください。
■ 9:00 ~ 19:00(平日)
■ 9:00 ~ 17:00(土日・祝日・12 月29 日~ 1 月3 日)

みやっこ こころのサポートダイヤル
0798-35-5082
新型コロナウイルス感染症による こころの変化や悩み、生きづらさについて、臨床心理士等が電話でお話を伺います。
■ 13:30 ~ 16:30(月・水・金/祝日を除く)

※2022 年4 月から9:00 ~ 12:00 です。くれぐれもおかけ間違いのないようお願いします。
詳細はこちらから 西宮市のページになります。

 

議会報告 2021~2022

2022.2月1日 臨時議会開会 

年度内に子育て世帯への臨時特別給付金を支給するための補正予算第14号、また1月に専決処分(※)された補正予算第13号の承認の必要が生じ、市議会は臨時議会を開きました。なお、専決処分の補正予算案第13号は、非課税世帯等臨時特別給付金事業が含まれ、専決処分そのものは妥当だったと考えましたが、マイナンバーカード交付関連業務等委託料が含まれていたため、カード交付事業そのものの問題点を指摘する意見を述べて退場しました。
※議会が議決しなければならない事項を緊急な場合など、行政運営の遅れを防ぐため、例外的に市長が意思決定すること

2021.12月議会 一般質問

市長選挙における記号式投票の問題点について

【よつやの質問】 3月に行われる市長選挙は、投票したい人に「〇」だけを書く記号式投票で実施される。最高裁判所判事の国民審査では、投票用紙は右から縦書きで、投票用紙の右側に記載されている裁判官の名前の欄に×印を書かれる確率が高くなる傾向の「順序効果」が統計的に指摘されている。実際に右端に一番多くの「×」がつけられてい
る。この「順序効果」についてどのように考えるのか。

【答弁】 順序効果について、本方式は公職選挙法で認められており、氏名掲示と投票用紙の掲載順序についてはクジにより決定することになっている。法にのっとった執行によ
り、順序の決定は公平性を担保できるものと考えている。

【よつやの評価】 最高裁判所判事の国民審査では、ほとんどの場合、右端の名前が、左端の名前よりも多く「×」がつきやすい「順序効果」があります。前回の市長選挙のような
108票差の接戦なら、並びによっては逆転してしまう可能性があります。この不公平性については全く答えていない答弁でした。

政治分野における男女共同参画について

【よつやの質問】 小野市では、庁内での男女共同参画の意識の醸成を進める一方、市民には「女性議会」の講座をひらくなど、意識の向上に努めている。西宮市としても、そのような積極的な取組みが必要と考えるがどうか。

【答弁】 改正「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の第10条の「人材の育成等」では、施策の例示として、模擬議会・講演会の開催の推進も明記されている。本市としても今後市議会から意見を頂戴しながら、啓発活動などに取組み、市民の意識の醸成を図るため、学習機会を提供していく。

【よつやの評価】 西宮市の人口53%は女性です。西宮市議会定数41人のうち女性の議員は6人しかいません。女性自身が積極的に意思決定の場に出ようという意識を高める講
座などが必要です。国も、改正法に盛り込んで、各自治体の積極的な取組みを促しています。改めて市のやる気のなさを感じます。

コロナ下における自殺対策について

【よつやの質問】 コロナ下、特に女性の自殺者数が増えている。背景には、経済・生活の問題や労働の問題、DV被害や育児の悩み、介護疲れ、精神疾患など、さまざまな問題が複
合的に潜んでいる。問題が深刻化し、自殺者数の増加に影響を与えている可能性がある。自殺を未然に防ぐ対策強化についてどのように取り組んでいかれるのか。

【答弁】 専門の電話相談「みやっここころのサポートダイヤル」を開設。自殺対策予防週間には、市職員を対象に、自殺予防の適切な対応が行える人材育成として、自殺危機初
期介入スキルワークショップを開催、市内図書館では、市民を対象に、心のケアに関する書籍などの展示やストレスチェック表を配布している。3月の自殺対策強化月間には、臨床心理士、司法書士などによる暮らしとこころのなんでも電話相談を実施する。

【よつやの評価】 コロナ下で感染症対策等の業務が増大する中、自殺対策をいくつか講じている点は評価したい。

生理用品の配布について

【よつやの質問】 コロナ下での女性への生活支援の一つとして、生理用品の配布が全国各地で広く行われるようになった。小・中学校では、必要な生徒への配布は、これまで
も行ってこられた。現在、各学校での生理用品の配布はどのように行われているのか。

【答弁】 保健室や職員室に生理用品を用意しており、困ったときのために誰にでも配布できるよう備えている。入学時や集会時に女子児童生徒に知らせている。今後も、この
取組みを継続し、女子児童生徒へさらに周知していく。

【よつやの評価】 コロナ下で「生理の貧困」がクローズアップされるようになりました。しかし、児童生徒が教職員に「生理用品を下さい」とは言いにくいのでないかと想像でき、プライバシーや羞恥心に寄り添っているとは言えません。

女性の衛生や健康の問題であり、トイレの手洗い場に設置して、いつでも誰もが気遣いや羞恥心を感じることなく使えるようにするべきではないでしょうか。

「女性の議員を増やそう」と訴えるにはちゃんとした理由がある…

コロナ以前からあった問題を置き去りにしてきた結果、コロナ下で若い女性の自殺が急増した

「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が一昨年改正され、積極的に女性の政治参画を促す施策が必要という趣旨の質問をしました。

内閣府男女共同参画局が設置した「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」が昨年出した「誰一人取り残さないポストコロナの社会へ」という報告書から以下、引用します。「女性の大学進学率が上昇しようとも、専門職に就く女性が多くなろうとも、家庭責任の多くを女性たちが担う構造に大きな変化は認められなかった。

しかし、コロナ下のいま、家庭内の役割分担を超えて、社会の諸制度の前提ともなっているジェンダー格差を所与とする規範や慣行にメスを入れない限り、ポストコロナのニューノーマルな世界において我が国は一歩も二歩も大きく後れをとることになる。ここで強調したいことは、さまざまな諸政策を企画、実行するに当たって、ジェンダーという視点を入れるべきということである。

そもそもジェンダー中立的ではない仕組み、政策が残存している。コロナ下にあって、逃げ場のない女性たち、女の子たちへの救済のために、ジェンダー的視点を入れた政策の設計が不可欠である。コロナ下で、女性たち、たくさんの未来があった女子高校生たちが自らの命を絶たなければならない状況は極めて深刻である」と報告書の冒頭で述べられています。

例えば、「生理の貧困」も、本来は政治課題であったことが、女性の個人的な問題として置き去りにされてきたのです。もともと社会に存在していた問題がコロナ禍でより過酷になり、顕在化したのです。意思決定の場に女性がいないことの歪みが社会的弱者である若い女性の生きづらさに直結した事実を真摯に受け止めなければなりません。

都立高の女子トイレの手洗い場に置かれた生理用品( 都教育委員会提供/京都新聞サイトより)

なくそう!議員特権

「身を切る改革」とは?

かつて号泣県議(=西宮選挙区選出、西宮維新の会)の政務活動費の詐欺事件で全国に名を馳せてしまった兵庫県議会ですが、市長選挙に立候補予定の増山前県議(2022年1月31日辞職)も、政務活動費の支出問題があります。

市民オンブズ西宮をはじめ、県内オンブズ3団体から車のリース料について住民監査請求されました。新人議員としては唯一、監査の対象です。

現在、兵庫県議会では議員報酬とは別に、政務活動費は議員一人当たり年間540万円(月額45万円)を申請によって交付されます(参考:西宮市議会議員への年間交付額144万円)。

「身を切る改革」を標榜してきた「日本維新の会」ですが、「維新の会兵庫県議会議員団」としては、2020年度は、総額約1855万円を支出しています。市長選挙に立候補予定の増山前県議は、約306万円を支出していました。

内訳は、チラシ広告印刷代など「広報広聴費」に206万余円、自身の乗用車リース代(年額64万6800円とガソリン代など)74万4088円です。

私は長く「なくそう! 議員特権」と掲げて、報酬額や政務活動費の支出のあり方にも発言を続け、支出も極力抑えてきました。

「日本維新の会」という政党はそのウェブサイトで「議会改革、行政改革により財源を生み出し、その財源を今一番必要とされるところに投じる。
その第一歩として議員・首長が身を切ることにより、まず政治家が覚悟を示す。これが、私たち日本維新の会のスピリッツです」と堂々と掲げています。

しかし、見えてくるのはかけ離れた実態ばかりです。自身の乗用車リース代のような政務活動費の使い方をして「議員が身を切る」と、なぜ言えるのでしょうか。

議員報酬も政務活動費も税金です。「身を切」られているのは、兵庫県民です。

よつや薫の解答 ~市民の疑問にお答えするコーナー~

質問 ①「 保育所の待機児童ゼロ」をめざすと、維新の前県議の方が言っていますが、可能ですか?

待機児童対策は、歴代市長が何代にも渡って最優先課題として取り組んできたことです。2021年4月の厚生労働省の定義に基づく「待機児童数182 人」という児童数ですが、2022年4月に保育所6園の開設などによって、519 人の定員拡大を図ります。

石井市政としては、2022年4月の待機児童数は、大幅に減少すると見込んでいます。ただ「保育ニーズは毎年増加し続けており、市は引き続き、保育所の整備など受入枠拡大に向けた取組みを進める」としています。

質問 ②「 ふるさと納税で100億円の財源づくり」って、できるのですか?

増山前県議のツイッターで「財源としてのふるさと納税。西宮市のふるさと納税は-15億円。全国には+100億円を超える自治体がある。西宮も+100億円を目指す」と述べていることだと思いますが、絶対不可能な額です。

この「-15億円」は、一昨年の西宮市民が他都市にふるさと納税した額が他市から西宮市にいただく額より約15億円超過しているという意味です。

ふるさと納税は、返礼品その他の必要経費が納付額の30~50%かかります。実際に使える財源を仮に100億円にするためは、他市に出ていく10数億円と全体の約30~50%を占める必要経費
を含めて、結局200億円前後納付してもらわなければ100億円の財源にはなりません。さすがに全国でも200億円を超える自治体はなく、この目標数値は非現実的です。

また、昨年末、東京23区の区長たちが、金子総務大臣に、ふるさと納税の返礼品競争や他都市への住民税の流出などの問題を指摘して制度の抜本的見直しを求める要望書を出しています。実現がほど遠い財源創出を口にする前に、その制度の問題点に思い至るべきです。

質問 ③ 日本維新の会公認の増山前県議は県政報告に「大阪夢洲IRとの連携」と書いています。「大阪夢洲IR(≒カジノ)」の開業で、どのような影響がありますか?

2029年開業予定の大阪夢洲のIRは、収益の8~9割をカジノ部門が占め、スロットマシン6400台が置かれ、大阪最大のパチンコ店の5倍のゲーム機、24時間365日、年間7兆円(根拠が曖昧な額)の売り上げが予測される賭博場です。

半径60キロ圏内からの集客を見込み、18歳以上の若者も西宮市内からも訪れます。カジノの収益は、IR運営大手業者から15%が大阪府・市に納付されます。
例えば、西宮市民が地元で使っていたお金をカジノで使えば、利益は大阪府・市にだけもたらされます。

博打は、泣いた人が多いほどもうかると言われています。連携により西宮市に良いことは何もありません。

質問 ④ 県議会議員の増山さんのチラシに「小中学校で皇統について正しく学ぶ機会を作り教育力UP」って書いてありましたが?

文科省が定める学習指導要領に「皇統について正しく学ぶ」という項目は一切ありません。従って、学習指導要領に書かれていないことを、公教育の現場で教えることはできません。日本の公教育を知らないのでしょう。

日本維新の会の政策集に「古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえた上で(云々)」と触れられています。この党の政策に基づいた教育方針だとすれば、政治的教育を禁止する教育基本法第14条「政治教育の禁止」に抵触する大問題です。

収支報告について

毎回載せている報酬と政務活動費の収支報告はこちらのブログ記事に転載しました。

編集後記

★新型コロナウイルス感染症の第6 波は漸く減少傾向に。しかし、大阪の医療逼迫は続き、患者の死亡は全国で最多が続く。保健所縮小の流れを是認し、医療機関と医療従事者を縮減してきた維新政治の責任は重い

★昨年、衆院選運動期間最終日の夜11 時40 分ごろJR 西宮駅北側を通りがかったら、ビラを撒こうとしている増山県議( 当時) と若い西宮市議( いずれも日本維新の会公認) を目撃。街頭演説標旗もなく、公職選挙法では街頭演説でしか配れないビラを深夜に撒く二重の選挙違反。法令遵守の意識の欠如

★昨年7 月、三人の子どもと妻・宮本恵子さんを残して、40 代の宮本一成議員が急逝されました。一成議員の遺志をついで、宮本恵子さんが3 月27 日市議補選に立たれる予定です
( よつや)

[ よつや薫の市議会報告会] は不定期で開催しています。日程・会場等は当サイトなどでお知らせしています。

キラリ☆かおる市民ネット通信 No.39《2022. 春号》
【発行】よつや薫(西宮市議会議員) 〒662-0965 西宮市郷免町3-22 TEL/FAX 0798(22)8832 議員控室(35)3539

※ この通信発行の費用はすべてよつや薫個人の報酬から支出しています。政務活動費から一切支出していません。
※ 発送・ポスティング等は市民のボランティアに支えられてい ます。

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