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私たちが住むこの「国」は・・・

 特定秘密保護法案が参議院で可決され、法律として成立してしまいました。
 私は、この間、一貫して、非常に危険で市民の自由を大きく制限する法律であると訴え続けてきました。
 また、地方議員としての活動も大きく制限される可能性があることから、自分のこととしても危惧を抱き続けてきました。

 自身の市議会報告を配るため駅頭に何度か立ちましたがその中で、この「特定秘密保護法案」についても触れてきました。
 そして「私たちが生きてきたこの国で、これほど酷い時代の揺り戻しが起きるとは思ってもみなかった」と私自身の時代を見通す甘さも吐露せざるをえませんでした。

 この法律の問題点はいくつもあります。

 新聞紙上でも指摘されているように、既存の法律ですでに政府が隠している『特別管理秘密』とされるものが現時点でも、41万件あるということです。
 それを漏らした公務員や自衛官などの罰則規定も既にあります。
 その上になぜ、この法律が必要だったのかということです。

 しかも、「特定秘密」の対象になる情報は、「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」に関する情報ですが、日本弁護士連合会が指摘しているように、これはとても範囲が広く、曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがある、ということです。

 「特定秘密」を指定するのは、その情報を管理している行政機関ですから、何でも「特定秘密」になってしまうということは、決して大袈裟ではありません。行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということです。

 そして、その情報を知らずにアプローチした人、あるいは、しようとした人、また、情報にアクセスできるかもしれないひとにアプローチさせようとした人まで罰則や、逮捕、家宅捜索の対象になる危険性もあります。そして懲役10年という重罰が待っています。

 そもそも何が「秘密」にあたるか特定できないので、報道機関や良識ある公務員、一般市民にまで自己を規制し、いわゆる抑止効果を及ぼすことも考えられ、そのこと自体が過去の戦争への時代への流れに似ているともいえます。

 懲役10年という重罰であるにもかかわらず、罪の内容である「何が秘密であるのか」わからないまま逮捕されるということが起きてしまいます。 
 法律を読んだだけではわからない内容の罪責で逮捕されるという、民主的な法治国家の大原則の一つである「罪刑法定主義」にも大きく背く法律です。

 また、一方で、この法律を突破口にさまざまな形で市民の自由を縛っていく法律を次々を出してくるのではないかという大きな危惧も現実のものとなってきました。

 この法律が憲法の各条項に抵触することも既に指摘されていますが、自民党は昨年4月に「自民党憲法改正草案」というものを発表しています。
 野党だった時に発表していることから、より本音がでている、との憲法学者の指摘もある内容です。

 特に、私が「自民党憲法改正草案」に盛り込まれている問題点の中で、この法律が成立してしまったことで、逆にこの法律に合わせる形で、改憲をやりやすくしようという動きになるのではないか、という点を指摘しておきたいと思います。

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