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オリジナル婚姻届と「婚姻手続き早わかりBOOK」の闇?!

このタイトルの問題は、6月議会から、引き続き、新たに得た情報も含めてこのまま見過ごしにはできないと考え、改めて本日の決算特別委員会民生分科会で質問しました。

 

このオリジナル婚姻届と「婚姻手続き早わかりBOOK」(以下、冊子)の発行は、これまでもいくつかおこなってきた「官民協働事業」(西宮市民便利帳や、西宮市ハローごみなどの冊子の発行事業)と同様の手法だとしました。

民間事業者に無料で婚姻届の用紙を挟み込んだ冊子をデザイン、印刷してもらい、配布は西宮市の本庁をはじめとする窓口で行う。経費は、すべて、冊子の中の広告料で賄うというもの。

西宮市は、6月11日より「婚姻届」の用紙を取りに来た市民に、冊子、「婚姻手続き早わかりBOOK」(=A4版、12頁)なるものを一緒に手渡しています。

そこに助産院、写真室、ホテルなどのそれぞれ1ページべったりの広告を5社、5頁も入れることの問題性をまず、指摘していました。

広告費でまかなうので、財源確保でもあるという。

印刷、デザインなどが無料になるなら、なんでもいいのか?と当初思いました(阪神間の近隣他市では、そんな冊子、6月時点では、どこも作ってはりませんでした)。

広告の内容や、広告を入れることにまったく違和感を感じない人も、無論いるでしょう。

でも、私はこの冊子を開くなり「ギョッ」としました。また、ある市民は「血が凍る」ような思いがしたという方もありましたし、また、私が、この冊子を見せると、顔をゆがめて絶句していた若い女性もいました。

 

子どもをもうけることができない方への配慮はまったくない。ジミ婚の方への記念になれば、とかいいながら、ハデ婚の推奨のような広告も入っています。

他方で、多様な生き方を認めていこう、という人権教育・啓発に関する基本計画があり、同じ役所でやることなのか、とその姿勢も疑いました。

結論をいえば、そこまでして、この冊子を作る必要があったのか、大いに疑問だということです。

その作りが問題だ、という指摘をしたのですが、6月議会では、まともな答弁をもらえませんでした。

 

もともと、昨年の公明党の議員の質問でこのオリジナル婚姻届を作ることに動きだしたようです。しかし、当初、こんな冊子までつくりなさい、とはいってないとおもいますよ、当該議員も。

 

そして、今日(9月27日)、決算特別委員会民生分科会で明らかになった、あるいは、明らかにしたのは、このオリジナル婚姻届をつくるにあたって、その財源確保のために余計な広告入りの冊子をつくったというよりも、当該業者(福岡市に本社)の利益確保のために、この冊子を作ることになったのではないかという点です。

 

本来市が作成する仕様書から、募集、協定の締結の内容まで、一貫してこの業者の意向が働いているのではないかということが一点。答弁では、そのようには答えていませんでしたが、このような広告をいれなくても、婚姻届だけなら、「7万円か8万円と見積もっていた」と答弁は財源確保の正当性が薄くなる額です。

しかし、広告料(協賛金)の額は?ときいても「把握していない」と担当課の答えでした。当該、業者に何を気遣っているのかわからない。でも、そんな答弁はないでしょう。市が相手方業者がいくら儲けて、そのうちいくらを印刷費等のコストにかけたのかわからないでは、事業全体の総括もできません。

しかし、市が把握していないという広告料は、実は、あらかじめ私の方で調べておきました。(広告料は)90万円です。

それにしても、一議員がわかることを、市が、中核市が把握していない、とは、言い訳も何もできない。

結局、印刷費、紙代などのコストを差し引いても、少なくとも70万円の利益を見込まれるという額です。デザイン料がまさか、70万円だ、なんていわないでしょ。西宮市から送ったデータを業社は編集ソフトに載せて貼りつけてるだけの作業なんですから。

そして、これは、余談ですが、この6月当初から、すでに、これと同じ「婚姻手続き早わかりBOOK」というタイトルの「冊子」は全国で100自治体を越えるまちで作られているということでした。

あれから、3か月。すでに、全国で、150自治体ぐらいになっているのではないかと思います。この、12頁の冊子を作らせて、自治体には無料で婚姻届ができた、と「財源確保」だと言わしめている。そして、この業者は、すでに、1億円を超える利益を得ている計算にはなります。

西宮市とは縁もゆかりもない福岡の業者。(誰かの言葉ではありませんが)

民間にできることは、なんでも民間に任せるという方向が、このところの地方自治体の大きなながれなのかもしれません。

なんでも安易に民間企業に丸投げした結果が、これです。

しかも、市のコストも実はかかっている。7万円前後の財源を無料にするために、こんな事に手を出してしまった。おいしい思いをしたのは、民間の当該業者だけ。

 

参考までに、どれぐらいの自治体で、この「婚姻手続き早わかりBOOK」が作られてきたかをネットで調べてみました。質問議員の会派(党派)も(とりあえず、関西一円分を以下、ネットでヒットしたところのみです)。

 

 

もちろん、「婚姻手続き早わかりBOOK」は、当該、企業の“オリジナル”で、この同じ形式(仕様)で、すでに100数十自治体で同様のものが作られています。

一方で、少なくない婚姻間近な人が、この冊子を手にとって、傷つく方、違和感を感じる人が確実にいます。他方では、西宮市は、手抜きの事業をして、民間に任せた結果、当該民間企業だけがおいしい利益を得ているという構図です。

これ以上、放置できないので、後日、利益を得させた部分の返還を求め、事業自体は、来年も継続する、という答弁だったことから、差し止めも求めて、住民監査請求を行います。

 

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